|_・) 今回は、動き回る子どもたちを撮影するには50mm(35mmフィルム換算)のレンズがいいんじゃないかな?と個人的に思ったことにいろいろと理由を付けてみたって感じなんですけどね。
先日、サークルの撮影会で子ども撮影をしてきたんですよ!メンバーのお子さんたちに協力してもらったんですけど、もうほんと子どもたちがかわいくて、俄然(がぜん)撮影にも力が入ったわけです!が、しかし…、子どもたち、動きが速い!!歩く?いえいえ、移動は基本駆け足だし、撮って画像確認して目を上げると、すでに別の場所にいることもしばしばw(でも、お父さんがいつも撮ってることもあって、普通の子よりは断然撮りやすかったんだと思いますけど!)
で、そんな子どもたちに翻弄されて、レンズを変える暇もなく、結局、ほとんどSIGMA 50mm F1.4 DG HSMで撮ったんですけど、あとで考えてみたら、ん?子ども撮影には50mmが一番よかったんじゃないかな?とか思って、で、その理由をいろいろと後付で考えてみることにした…わけなんですね。
(※今回は、そんなわけで、発表会や運動会みたいな要望遠的なシチュエーションは除きます)
今回撮影した写真は↓下の方にリンク張っときます^^;
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◆被写体との距離
まずは被写体との距離。
今回、50mmで撮ってみて、比較的引きの構図が多かったです。横位置構図(以降、横位置)で全身が余裕で収まるくらい。TAMRON 90mm F2.5 Macroでも撮ったんですが、それは縦位置構図(以降、縦位置)で全身が収まるくらい。
あわてて撮るから、結構水平が取れてなかったり、余計なものが写りこんだりして、でもけっこう余裕があったのでトリミングで対処できました^^;
もちろん、50mmですから寄って撮ればアップだって…ちょっと被写体から近いけど撮ることは可能ですし!
てことで、ざっくりとレンズの焦点距離と被写体との距離を計算してみると…
設定:
1.全身を入れたフルショットは、子どもの身長を120cmとして、上下に少し余白を作るので縦の撮影範囲を150cm。 2.顔のアップは顔の大きさを20~25cmとして、余裕をもって縦の撮影範囲を30cm。 焦点距離ごとに横位置と縦位置でどのくらい離れて撮る必要があるかを計算。 ※計算を簡単にするために、撮像素子のサイズを幅36mm、高さ24mmとする。 ※計算を簡単にするために、撮像素子からではなく、焦点からの距離とする。
X 被写体との距離 H 高さ(縦の撮影範囲) L レンズの焦点距離 h 撮像素子の高さ(横位置と縦位置で変わる)
計算は簡略化して、比の計算から
高さH:距離X=撮像素子の高さh:焦点距離L H/X=h/L 求めたいのはXなので、 X=(L/h)*H
あ、計算はてけとうですよ?
出てくる単位がミリ、センチ、メートルなので、計算中はcmにして、最終的にmにします。
1.フルショット(縦150cm)
50mmレンズ 横位置
H=150cm L=5cm (50mm) h=2.4cm (24mm)←撮像素子を横にしたときの高さ X = (5 / 2.4) * 150 = 312.5 = 3.125m
50mmレンズ横位置だと、3メートルちょっと離れればフルショットが撮影可能なんですね。
50mmレンズ 縦位置
H=150cm L=5cm (50mm) h=3.6cm (36mm)←撮像素子を縦にしたときの高さ X = (5 / 3.6) * 150 = 208.333333 = 2.083333m
50mmレンズ縦位置だと、2メートル離れればOK。
同様に28mm、35mm、70mm、135mm、200mmで計算すると
焦点距離(mm) | 横位置 距離(m) | 縦位置 距離(m) |
28mm | 1.75m | 1.167m |
35mm | 2.188m | 1.458m |
50mm | 3.125m | 2.083m |
70mm | 4.375m | 2.917m |
135mm | 8.438m | 5.625m |
200mm | 12.5m | 8.333m |
どうです~?こうやって見ると50mm、バランス取れてる気がしませんか?w
2.顔のアップ(縦30cm)
50mmレンズ 横位置
H=30cm L=5cm (50mm) h=2.4cm (24mm)←撮像素子を横にしたときの高さ X = (5 / 2.4) * 30 = 62.5 = 0.625m
50mmレンズ横位置だと、顔のアップは60cmちょっと。ちょっと近い気がしますが可能です^^;
50mmレンズ 縦位置
H=30cm L=5cm (50mm) h=3.6cm (36mm)←撮像素子を縦にしたときの高さ X = (5 / 3.6) * 30 = 41.6666 = 0.416666m
50mmレンズ縦位置だと、40cmちょいまで寄ればOK。
同様に28mm、35mm、70mm、135mm、200mmで計算すると
焦点距離(mm) | 横位置 距離(m) | 縦位置 距離(m) |
28mm | 0.35m | 0.233m |
35mm | 0.438m | 0.292m |
50mm | 0.625m | 0.417m |
70mm | 0.875m | 0.583m |
135mm | 1.688m | 1.125m |
200mm | 2.5m | 1.677m |
アップは70~85mmくらいのレンズがあった方がいいかなぁ…とも思うけど、50mmだって大丈夫^^
引きもアップも両方と考えると、50mmが一番バランス良いでしょ?
まぁ、ざっくりした計算なので、あまり正確さは求めないように^^;
◆手ぶれについて
手ぶれとシャッタースピードについてよく言われるのが、最低でも焦点距離=1/シャッタースピードは必要というもの。50mmのレンズなら、最低でもシャッタースピードは1/50欲しいってこと(ま、気を抜いて撮ると50mmで1/50でもバリバリ手ぶれするけどな><)。200mmレンズなら最低1/200は欲しい!
焦点距離が長ければ長いほど速いシャッタースピードが必要になるわけです。
特に人物撮影で連写なんかすると、2枚目以降はブレてるなんてことがしばしば(一眼レフ)。ある程度は訓練で軽減しないとなんですけどねぇ。
◆被写体ブレについて
これは被写体を同じ大きさに撮る分にはさほど変わらないんですが、同じシャッタースピードなら、アップより引きの方が被写体ブレはしづらいんです。とすると、どうしてもアップになりがちな長いレンズよりは広角側のレンズの方がブレてない写真が撮りやすいはず!
動いてる子どもたちを撮るなら、まずシャッタースピードを稼ぐ(f値を小さくする、AEなら露出補正をマイナスにする、ISO感度を大きくする)。それでもブレが気になるなら、少し引き気味で撮ってあとでトリミングなんてことも考える必要があるかも。
そうすると明るくて引きで撮りやすい50mm、35mmなんかいいんじゃないですかぁ?
◆ボケについて
ボケは、F値が小さい方、焦点距離が長い方、被写体との距離が近い方が被写界深度が浅くなり、前後がボケやすくなります(ついでに言えば撮像素子の大きさが大きい方がボケます。さらに言えば、レンズの解像度が高いほど、撮像素子の解像度が高いほどボケます。まあ、これは拡大しないとわからないんですが)。
なので、当然、明るくて長いレンズの方がボケます。だけど、50mmのF1.4とかアップなら十分過ぎるほどボケます。目にピントを合わせると、鼻はボケる…くらいボケます。いや、瞳に合わせるとまつ毛がボケるくらい?
あんまりボカしすぎるとなんだかわからない写真になるので、アップの時はF4とか(レンズによりますが)まで絞って撮ることに。そうすると標準ズームとかとでも十分だったりします。
全身写す場合は長いレンズの方がボケを強調できますが、被写体との距離とかブレのことを考えれば、それなりにボケる明るい50mmが良いかなと個人的には思います。
35mmも結構使い勝手がいいかも。35mmなら、28-70mm F3.5-5.6なんてレンズでもf4以下まで下げられそうだし、被写体との距離も取りやすいし。
◆構図について
さっきも書いたけど、アップになりがちな長いレンズより、少し引いてても、解像度の高いカメラならば、トリミングでしのぐ!なんてこともできます。ブレるよりは多少画素数が落ちるくらいはへっちゃらです^^
でも広角すぎると歪みが強くなるし、近づく分、上からの構図になりがちなので、やはり程よい距離感で歪みが少なく、引きもアップも対応できる50mm前後が良いのかな?とw
◆レンズの明るさについて
そりゃ明るいレンズの方が圧倒的に優位です。暗いところでもシャッタースピードは稼げるし、ボカせるし、絞って被写界深度を深くすることもできます。
でも、高感度に強いカメラであれば、ISOを上げてシャッタースピードを稼ぐってことはできます。
あ、でも、50mmの単焦点なら、比較的安くいいレンズが手に入るから、やっぱり50mmおすすめですよね。
ね?やっぱり子ども撮影は50mmが一番なんじゃないかなぁ?なんて思えてきませんか?
まあでも、なんだかんだ50mm推しみたいに書いて来ましたが、あくまでも子ども撮影で使い勝手が良さそうじゃん?てことで、焦点距離それぞれにそれぞれの良さがあることも頭に入れつつ、さて、どのレンズで撮ろうかな?と考えればいいのかなと思う次第です^^;
あ、今回の撮影会の写真は、勉強会サークルのEvent Photoで見られます。